大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(あ)1346 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人佐竹晴記名義の上告趣意第一点について。

所論は違憲をいうが、実質は単なる法令違反の主張に帰し刑訴四〇五条の上告理

由に当らない(原判決は、その確定した事実関係の下においては被告人の行為は盗

犯等ノ防止及処分ニ関スル法律一条一項三号に該当しないと判示したものであつて、

右判断は正当と認められる。)。

同第二点について。

所論は判例違反をいうが、引用の判例は、当該事件の被害者らは、特別の事情の

ない限り、前記法条にいう「故ナク人ノ住居……ニ侵入シタル者」に該当するとし

て破棄、差戻をしたものであつて、右事件の被告人の行為につき、何ら所論のよう

な判断をしたものではない。それ故、右判例は、本件には適切でなく、判例違反の

主張は前提を欠き、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第三点、第四点、第五点について。

所論は事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当

らない(原判決は、その確定した事実関係の下においては、被告人の行為は正当防

衛行為とは認められず、また前記法条に該当する場合にも当らないと判示している

のであつて、原審の事実認定は、挙示の証拠に照らし是認しうるところであり、ま

たその法律判断も正当と認められる。原判決が、被告人の行為を、被害者Aを屋外

に排斥せんがための所為とは認められないと判示したことは所論のとおりであるが、

右は本件の事実関係に即して被告人の行為を説明したものであり、前記法条にいう

「排斥」の法意が、屋外に排斥する場合に限ると解して被告人の行為に前記法条を

適用しなかつたものでないことは判文上明らかである。)。

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よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三八年四月一八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 朔 郎

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